モロッコについて
モロッコってどんな国?基本情報や衣食住について。
【基本情報】
モロッコは北アフリカの西の端に位置するイスラム王国です。
地中海の対岸にはスペインの陸地が見え、ヨーロッパに近くその影響も大きく受けています。
公用語のアラビア語(モロッコ方言)の他、先住民族ベルベル人の言葉ベルベル語があり、
フランスの保護領だったことでフランス語も広く普及し、さらにスペインに近い北部ではスペイン語も通じます。
真っ青な空の地中海と大西洋、どこまでも続く荒野の地平線に点在する羊の群れ。
内陸には雪の降るアトラス山脈があり、それを越えると美しいサハラ砂漠があります。
海と山と砂漠、、ダイナミックな大自然と同じくらい魅力的なのが、
歴史的な佇まいを残す街の景観と人のざわめき飛び交う旧市街(メディナ)です。
モスクから流れる祈りの時間を告げる声が重なり響くアザーンの合唱。
狭い道を通り過ぎる荷物を引くロバ。
強烈な日差しがスポットライトのように狭くて暗い小道を照らしている様は
中世に迷い込んだかのような感覚を与えます。
【多くの文化人、デザイナーも注目してきた国】
たくさんの観光資源、イスラムとアフリカとヨーロッパの交流地として築いた
豊かな文化は多くの旅人を魅了し、また数々の芸術家・デザイナーに影響を与えてきました。
19世紀を代表するフランスの画家ドラクロワは、アフリカの強烈な太陽が作る深い陰影で
モロッコの風景や人物を描いたことで有名です。
近年ではイブサンローランがモロッコを題材にした多くのクリエーションを残し、
亡くなった今はサンローランの別荘として有名なマジョレル庭園に分骨したお墓があります。
また、ハリウッドはじめたくさんの映画がモロッコで撮影され、雑貨やインテリアブームもあり、
近年日本でもモロッコの認知度が急上昇しています。
【地元の人の衣食住】
そんなモロッコの人々の暮らしは、ブームや華やかな映画の世界とは遠く、
何十年も変わらないであろう暮らしが今日も過ぎていきます。
モロッコの多種多様な地形や言語と同じように、モロッコ人にもアラブ人とベルベル人があり、
目の色、肌の色はさまざま。また北と南では別の国のように民族衣装も異なります。
現在も多くの人がジュラバなどの民族衣装を着て出かけ、女性はスカーフを巻いている人も多く、
旅行で訪れるとイスラム独特の異国情緒ある雰囲気が味わえます。
衣食住は日本に比べるととても保守的で、どこの家にも必ずお客様を迎えるサロンがあり、
毎日のようにタジンを食べ、砂糖のたっぷり入った甘ーいミントティーを飲んでいます。
野菜の山や塊の肉が無造作に置かれた市場で今日も買い物をして、
お母さんが作った大皿のタジンやクスクスを家族が囲んで食べる、食べた後は昼寝をする、、
昼寝の後は女性たちはご近所さんと家でおしゃべりをしながらお茶を楽しみ、
男性は外のカフェで社交する、子供たちが元気に外を駆け回る。
変化の激しい現代でも変わらない日常が今日も続いています。
モロッコは決して観光しやすい万人受けする国ではありませんが、
訪れるその人の受け取り方、行動など自分自身も試されるような場所かもしれません。
そういう意味では日本とかけ離れた感覚に触れ、新しい価値観や別の視野が開ける場所であることは
自信を持ってお勧めできる、魅力的な国です。