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ENDO KAYA

モロッコ在住17年。モロッコファッション&インテリアを独自路線でお届けします。

モロッコについて


アラベスク模様

モロッコってどんな国?基本情報や衣食住について。

アラベスク模様

マラケシュ・スークの一角

 

モロッコは北アフリカの西の端に位置するイスラム王国です。
地中海の対岸にはスペインの陸地が見え、ヨーロッパに近くその影響も大きく受けています。
公用語のアラビア語(モロッコ方言)の他、先住民族ベルベル人の言葉ベルベル語があり、
フランスの保護領だったことで
フランス語も広く普及し、さらにスペインに近い北部ではスペイン語も通じます。
真っ青な空の地中海と大西洋、どこまでも続く荒野の地平線に点在する羊の群れ。
内陸には雪の降るアトラス山脈があり、それを越えると美しいサハラ砂漠があります。



エッサウィラとサハラ砂漠アトラス山脈とジャマエルフナ広場
 

海と山と砂漠、、ダイナミックな大自然と同じくらい魅力的なのが、 歴史的な佇まいを残す、
街の景観と人のざわめき飛び交う旧市街(メディナ)です。
モスクから流れる祈りの時間を告げる声が重なり響くアザーンの合唱。
狭い道を通り過ぎる荷物を引くロバ。
強烈な日差しがスポットライトのように狭くて暗い小道を照らしている様は
中世に迷い込んだかのような感覚を与えます。



マラケシュ・メディナ
 

たくさんの観光資源、イスラムとアフリカとヨーロッパの交流地として築いた
豊かな文化は多くの旅人を魅了し、また数々の芸術家・デザイナーに影響を与えてきました。

19世紀を代表するフランスの画家ドラクロワは、アフリカの強烈な太陽が作る深い陰影で
モロッコの風景や人物を描いたことで有名です。
 

近年ではイブサンローランがモロッコを題材にした多くのクリエーションを残し、
亡くなった今はサンローランの別荘として有名なマジョレル庭園に分骨したお墓があります。
また、ハリウッドはじめたくさんの映画がモロッコで撮影され、雑貨ブームもあり、
近年日本でもモロッコの認知度が急上昇しています。

そんなモロッコの人々の暮らしは、ブームや華やかな映画の世界とは遠く、
何十年も変わらないであろう暮らしが今日も過ぎていきます。
 

モロッコの多種多様な地形や言語と同じように、モロッコ人にもアラブ人とベルベル人があり、
目の色、肌の色はさまざま。また北と南では別の国のように民族衣装も異なり実に多種多様な顔を見せながら、
衣食住は日本に比べるととても保守的で、どこの家にも必ずお客様を迎えるサロンがあり、
毎日のようにタジンを食べ、砂糖のたっぷり入った甘ーいミントティーを飲んでいます。
野菜の山や塊の肉が無造作に置かれた市場で今日も買い物をして、
お母さんが作った大皿のタジンやクスクスを家族が囲んで食べる、食べた後は昼寝をする、、



タジンとクスクス
 

昼寝の後は女性たちはご近所さんと家でおしゃべりをしながらお茶を楽しみ、
男性は外のカフェで社交する、子供たちが元気に外を駆け回る。そんな毎日です。



大もり野菜を路上で売る
 

太陽をたくさん浴びた季節の野菜と、ついさっき店先でお肉になってくれた
鶏肉や捌かれたばかりの牛肉や羊肉。
家の女達が捏ねた焼き立てのパン、それを家族みんなで食べる食事風景。
食事とは人間の生活の根幹にあたる大事な部分なのだとモロッコで教えられました。
 

インスタント食品や出来合いのものを家族がばらばらの場所や時間に食べなければならない生活は
本当に豊かなのか、はたして豊かさとは何なのかと疑問になります。
 

日本とはいい意味でも悪い意味でもかけ離れた文化や感覚を持つモロッコ。
先のことには「インシャッラー(神が望めば)」が付き、時間も約束も予定もあってないようなもの。
計画立てる習慣もないのか、物事が計画通りに進むなんてことはほとんどありません。
自分の非をなかなか認めないところは、すみませんから始まる日本とは真逆ですね。
人と話をするのが大好きなモロッコ人の、止まらないアラビア語の嵐に
ぐったり疲れることも多々ありました。
仕事は二の次三の次。まずは家族と神様が優先です。
お祈りの時間にはお店を閉めてモスクへ行く店主も多く、一日5回あるのでしょっちゅう店を
閉めることになり、お客が店の前で待っているのもよく見られる光景です。
かと思えば、イスラムで禁じられているお酒を嗜む人も多く、
この多様性を受け入れてくれる社会がモロッコの魅力ではないかと思います。
 

地域や友人、家族、親戚とのつながりが強く、困った時はお互い助け合うのがごく当たり前。
迷惑かけられることもあるけど、かけてもよい。そんな懐深い、
もしかしたら一昔前の日本のような社会かもしれません。
 

観光でモロッコを訪れる場合は、しつこい客引きや値段の交渉に辟易するかもしれません。
必要ない場合ははっきりNOと言う、あまりにしつこいのなら大声出して怒っても大丈夫。
喜怒哀楽がはっきりしているのもモロッコ人の特徴。
大きな声で話して笑って怒って、、、
その場で喧嘩しても次に会うときは仲直り、人間関係もストレートです。

 

モロッコは「ソフトイスラム」と呼ばれています。
混乱の渦中にある中東に比べれば比較的政情は安定していますが、
かといって誰もが観光しやすい国ではありません。
 

訪れるその人の受け取り方、行動など自分自身も試されるような場所かもしれません。
そういう意味では日本とかけ離れた感覚に触れ、新しい価値観や別の視野が開ける場所であることは
自信を持ってお勧めできる、魅力的な国です。



井戸端会議

 

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